わさび、お誕生日おめでとう。

わさびへ

６年前の今日、パパ大和くんと、
ママ和ちゃんの間に あなたは産まれました。



生後12日目のわさび　（どれだかわからな～い）

お兄ちゃん３頭の中に、女の子いっぴきだけ。
だから気が強いのかな（え？誰に似たって？）

うちに来た時には、
間違えて仔グマをもらってきちゃったかと思うくらい、
口の周りが真っ黒で、
コロコロのまんまる仔犬ちゃんでした。


 

来た日から３日くらいは淋しくて夜鳴きをするけど、
心を鬼にしてかまわないように、と言われていました。

なのに、わさびは、１週間近く鳴いていたね。
うちにくる直前まで、一緒にいた和お母さんを
せつない声で呼んでいたんだよね。
きっと、和ちゃんも、急にわさひがいなくなって
胸もはりさけんばかりに鳴いていたでしょう…

人間の都合で産まれて、人間の都合で母親から離され、
あなたは、うちにやってきました。
だから、和ちゃんの代わりに、
どんなことがあっても、この小さな命を守り、
幸せにしてあげよう、と心に誓いました。

あなたの名前は、
日本犬だからと“和”の名前の中から、
お友達みんなで投票をして決めたんだよ。
だから皆が名付け親です。
（他の候補の「のれん」とか「まくら」とかにならなくてよかったね…）



好奇心旺盛で、人懐こくて、とても賢いあなたは、
すぐにうちの家族として元気いっぱい
（元気すぎるほど）
育ちました
（少々、育ちすぎた感も…）

１歳になるまでは、お散歩で見るもの、
会う人、会うワンコ、すべてに興味津津で友好的で、
ドッグランも、旅行も、車も、いろんな経験をしたね。

何にでも好奇心旺盛で、
かつ頑固でキレたりもして、
伸び伸びと活発で社交的なわんこに育ちました。
（飼い主にまったくそっくりになってしまいました…）

２歳くらいからは、かなり自我が出てきて、
好き嫌いもハッキリしてきたね。
ますます頑固さも、意思の強さも増し、
知恵もつきすぎるほどついて、
そのナマイキさに、ときどき手をやきます。
そのくせ、外面だけはよく、
場をわきまえるあたりもたいしたものです…
（あぁ、私もこうやって親を困らせてきたのだなぁ、と…）

でもね、そういうところも、全部含めて、
おねーちゃんは、わさびが大好きです。
好きで好きでしかたがないほど、あなたを愛してます。




「ふん」とか
「チッ」とか言っても、
私達の顔色をうかがって、じっと我慢しながら
人間の都合に合わせて暮らすより
よっぽど嬉しいです。
（え？いまでもだいぶ我慢してるって？）


本当は、愛するわさびの子供をほしいと思っていました。
おねーちゃんは、そのことで３年くらい
胃が痛くなるほど悩み考えました。
遺伝性疾患など いろんなことを勉強しました。
パピーミル、生体販売、殺処分、動物業界の実態、
素人繁殖の恐ろしさ、動物取扱業の取得、
それらをきちんと知った上で
産まれてくる子供たちに胸をはって幸せにできる繁殖を、と。

でも、時間的・環境的・経済的に
あなたの子供すべてを幸せにしてあげられるだけの
絶対的な確信と、それと同じだけの意識をもって
子供を産み育てるお相手柴ちゃんに
巡り合うことはできませんでした。

わさび、ごめんね。
唯一、おねーちゃんは、それを謝りたいです。
（他のコスプレとかは、悪いと思わないので謝らないです、笑）
そのことを思うたびに、せつない気持ちになります。
本当は雌犬の本能として、産み育てたかったかな。
おねーちゃんが不甲斐なくてごめん。

でも、その分、生涯わさび一頭を大切に育てることを
改めて深く心に決めました。
「はなびちゃん」と名前まで決めていた
わさびの子供の分まで、わさびに愛情をそそぎ、
その分の時間と手間をかけて大切にするからね。
そう思って、手作りわんごはんの勉強を始めました。

でも…
こんっっっだけ、いたれりつくせりしてるんだからさー
球場でボール運んでくんない？！
と最近思ったりもしますが、
それもわさびの意思表示なのかな。




うんうん、そういう時もあってもいいよ。

おねーちゃんは、そんことでたくさん悩んで
たくさん泣いたりもしているけれど、
わさびと気持ちが一つになるように
まだまだ自分の足りないところを教えてもらう気持ちです。



そうして、未熟な２人が、
泣いたり笑ったりしながら、
何かに挑戦するその姿が、
きっと誰かの心に何か届けることができるはずだから。

あなたが、
短いけれど 一生懸命この世に生きた証が
皆の心に残るはずだから。





いつか、わさびがおねーちゃんの歳を越えて、
だんだん足腰が弱くなり、寝てばかりになり、
目も耳も遠くなって、長い時間のお散歩や、
大好きなボール遊びができなくなっても、

身体を起こすこともままならなくなって、
仔犬の時のように、おもらしとかをして
そのうちに、おねーちゃんのことやお母さんのことも
わかならい日が来たとしても、
あなたの手を離したりはしません。

不安な時は、いつもそばにいてくれて
（そばにいるだけで慰めてもくれないけど）
泣いてる時も、いつも見守ってくれて、
（うるさいなー、て顔だけど）
おねーちゃんは、わさびがいたから生きてこれました。

あなたを迎える時、おねーちゃんも家の中も
悲しみに包まれていました。
あなたが来た日から、家の中には笑顔が生まれ、
おねーちゃんの人生は変わりました。

だから、わさびに感謝しています。
感謝しても、しきれないくらい、あなたが大好きです。
わさびは、うちに来て幸せですか？



そりゃぁ、変な服を着せられたり、
モノを運ばされたり、
あちこち連れまわされて、
悪趣味に付き合わされ、

寝ていてもすぐにちょっかい出されたりして
愛情過多でウザいかもしれないけれど、



それはきっとこの先も 改まることはないので
どうか我慢して下さい（笑）


いつの日かわさびが、虹の橋を渡る時には、
おねーちゃんの腕の中で、安心して旅立たせてあげます。
すぐに、おねーちゃんたちも行くから待っててね。
（行くまでに、伸び伸びと解放されてて下さい、笑）

５年間、健康で何一つ大きな病気もなく、
私たち家族を困らせることもなく、
皆からかわいがられて、本当におりこうさんなわさび、
この先、５年、１０年、１５年と、一日一日を大切にしながら、
これからも、楽しく、おいしく、たくましく、
一緒に手をつないで歩んでいこうね。



わさび、６歳のお誕生日、おめでとう。
今日は、お誕生日ワンごはんを作ってあげるからね。
 

大好きなわさびへ　　　

2010.5.11

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