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    ♪ 柴犬わさびと音楽の日々 ♪
                       
   
北海道ユニバーサル上映映画祭に
活動弁士さんと共に呼んでいただき、
サイレント映画の作曲・ピアノで出演してきました。

作品は、昨年1月に東京芸術劇場で公演した
『第七天国』です。(その時の日記↓)
http://wasabine.blog.shinobi.jp/Entry/106/ 


a2660558.jpeg


















映画祭の主旨が「ユニバーサル上映」なので、
目や耳などが不自由な方でも、皆と一緒に楽しめるように、
との様々な点で、工夫がなされています。
「ユニバーサル」とは「バリアフリー」
という言葉にも、置きかえられるものかもしれません。


fa41107e.jpeg

















 
「誰でも気軽に映画を見に行くことができるように
 上映映画に日本語字幕・音声ガイド(副音声)
 ミュージックサイン・補聴援助システム(磁気グループ)
 手話通訳などを用意しています」


ということで、普段でしたら
「大好きな映画も、障害のため諦めていた」という方も、
どうか同じように楽しんでいただきたいという思いで、
実行委員の方やボランティアの方々が準備をされ、
今回で4回目を迎えたとのことです。
 web-P1000010.JPGweb-P1000012.JPG
 









(左:函館空港と 右:映画祭会場)

まず、視覚障害の方のためには音声ガイド
そして聴覚障害の方のために、
上映中の日本語字幕ミュージックサイン
舞台上のトークには要約筆記なるものがつきます。
 

音声ガイドというと、よく美術館などで、
希望者へヘッドフォンが渡され、
作品解説が流れたりするものが身近ではないでしょうか。

ここで言う音声ガイドは、これがまた、
かなり大変な作業を要するもので、
登場人物のセリフだけでなく、
その動作や情景描写、時代背景など、
必要と思われる箇所には「ト書き」のように
ナレーションをつけていきます。

 弁士、それでなくとも1シーンで
4~5人くらいのセリフを1人で担うのに(笑)、
限られた数秒の間に、動作に合わせ
的確に音声ガイドまで入れるのですから、
まさに「24人のビリーなんとか」みたいな…。
(むしろ視覚障害の方は、弁士が1人だなんて信じられないのでは?笑)

web-NEC_0155-2.jpg
そして、
私がすごいと思ったのが、
要約筆記なるものです。
左の写真では、
わかりずらいですが、
舞台下手客席側に
ブースを設け、
4人の方が同時通訳のように、
ものすごいタイピング技術で

舞台上の挨拶などを画面上に映すもので、
聴覚障害の方でも文字として話を認識できます。
 (このタイピング技術がすごい!) 
↑写真:上映会場のホール

そして演奏に関しては、
もちろん普通のお客様も皆一緒ですので、
私は通常通り演奏するのですが、
ミュージックサインという、
音楽を手話で表すような方がいらして、
その方と事前に打ち合わせをしたりしました。

web-P1000036.JPG

本番2時間前
隣のホールの袖で
指ならしの練習中







ミュージックサインは、函館独自のもののようで、
まだまだ音楽の要素全部を伝えられる訳ではないのですが、
音の鳴るシーンの有無、曲想、雰囲気など、
無音でしか届かなかった耳の聴こえない方々へ
少しでも「音の存在が近づくように」という役割です。


聴覚障害には、いろいろな状態がありますが、
補聴器や骨伝導により、音を認識できる方もいますし、
聴覚神経が麻痺している場合は、それも不可能です。
そのため、視覚により音を「イメージ」することになります。
  
例えば聴覚障害の方は
「映画のエンドロールに、音楽がついていた」
なんて知らなかった!という方もいるそうです。
私達が当然すぎて当たり前のようなことすら、
情報として知ることができないのが現状なのです。
 
様々な音楽情報の伝え方があるのは思うのですが、
私自身は「生演奏」で演奏者自身が視覚として
演奏する姿が見えている時は、それを活かし、
その演奏者の姿だけでは、イメージしがたい
音やその背景を隣にいる「音の手話通訳」
の役目の方が担って下さると
多くの音楽家からも心強い「音の通訳者」として
認識され支持されてて行くのではないかなと思います。
 
まだまだ、課題の多い分野ではあると思うのですが、
担当なさっていた方々は、とても情熱をもって
取り組まれていましたので、
今後さらに発展させて頂きたいと願っています。
 
 
53fd3193.jpeg



今回の『第七天国』の単独チラシ
 前回のデザインを提供してます。











また、すでに「ユニバーサルデザイン」として
京都市の行政の応援も得て活動されている方々の
ゲストトークもあり、そこでは「もののけ姫」など
流行りの映画にも映画館の許可を得て、
字幕や音声ガイドをつけ
障害のある方々に提供しているとのことでした。
 
そのお話の中でも、私が大変共感をしたのが
「音声ガイド等は、あくまでも主観でなく
 客観的でなくてはならない」という点です。
 
主観で「こうだろう」と想像することが必要な場合も多いですが、
あくまでも「作品の作り手」(映画の場合や監督や脚本など)
に忠実に、その主旨からはずれない、
あくまでもその補助である、
という認識を逸脱してはいけません。
 
これは、音楽においてもいえます。
仲介役である通訳者が、
個人的な感じ方、捉え方で伝えるのでは、
誤った伝わり方になってしまい、
それは作り手(この場合は作曲者)や
聴こえない方自体にも失礼なことだと思うのです。
(昔、サッカーのトルシエ監督の通訳が、
 監督以上にエキサイトしたり、
 話が長かったりしたのを思い出した、笑)
 
クラシックにおける演奏者が常に心がけているように、
あくまでも「作品ありき・作曲者ありき」で
作り手がどのような意図で、どのような背景で作ったか、
これを探り深め分析し、そして己の表現で音にすることが
演奏者の役割であります。
おそらく、音声ガイドもミュージックサインも
そうでなくてはならないのだと思います。
 
少々長くなりましたが、普段私たちが気付かないことを
気付かせていただけた貴重な機会に感謝致し
皆様にも、ぜひお伝えしたいと思いレポ致しました。
 
web-P1000057-2.jpg
公演自体も、
作品の素晴らしさもあって、
会場からは、すすり泣きも
聞こえたりして、
皆様からもご好評いただき、
大成功で終えることができました。
応援して下さった皆様、
本当にありがとうございました。
 




終演後は、交流会で函館のごちそうをいただき
皆さんに、函館山の夜景を見に連れて行っていただきました。
ちょうど霧も晴れ、この時だけスッキリ見ることができました。
 ec1ff4ac.jpeg



















web-P1000058.JPGweb-P1000060.JPG










(左:地元でとれた白いとうもろこし、右:カニ!)

北海道日記は、このあと数回続きます(笑)
乞うご期待♪

~*~*~ 今回のわさび音only函館の旅 ~*~*~

わさびがいなくても珍道中なんだワンね…( ̄ω ̄)

2009.9/20 北海道ユニバーサル上映映画祭
2009.9/21 北海道2:「函館朝市」の巻
2009.9/22 北海道3:「赤レンガ倉庫」の巻
2009.9/23 北海道4:「函館元町」の巻
2009.9/25 北海道5:「函館コスプレ」の巻
2009.9/26 北海道6:「いきなり和の世界」の巻
2009.9/27 北海道7:「わさびのお土産」の巻


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無題
手話で歌詞を表す手話ソングは知っていたけど、
歌詞のない音楽を表すと言うことには気がつきませんでした。
>「映画のエンドロールに、音楽がついていた」
なんて知らなかった!<

うーーん、目から鱗です!!
ケンタママ 2009/09/20(Sun)07:36:40 コメントの編集
     
              
 
◆ケンタママさん
そう、手話ソングは、あくまでも“歌詞”なんですよね。
(多少の抑揚などはあったとしても)

今回のミュージックサインは「演奏する動作」で伝えていました。
これは、BGMとして流れるものには有効だと思います。
どんな楽器編成で、何人で演奏しているのか、視覚で伝えることができます。

ただ生演奏の場合は、重複する部分が多いと思うので、
現段階では、賛否両論でしょうかね。
私自身は、音楽を視覚で表現する身体表現は、
ダルクローズのリトミックと指揮法だと思っているので、
その辺りもお話をしてきました。

エンドロールに音楽が…の話は私も目から鱗でした。
そう考えると、どんなに小さい情報でも、
まだ未完成な表現であっても、伝えてあげたい、
という気持ちはよくわかります。

だって、音は単音でなく重なって鳴るなんて知らなかった、
というご意見まであったそうなんです(涙)
わさび音 2009/09/20(Sun)12:29:31 コメントの編集
     
              
 
無題
函館での演奏会成功裏に終わられて、良かったですね!
本当にありがたい事に何も気付かないまま日々を過ごしてるんですね。

函館の夜景とっても奇麗!これぞさすがわさび音ちゃん!
ノエヴィオン 2009/09/20(Sun)15:55:14 コメントの編集
     
              
 
◆ノエヴィオンさん
ありがとうございます☆
ホント、見えること、聴こえることは、当たり前のことではないと思うと、
見て、聴こえて、感じたものを、表現するという自分自身の使命を
感謝の心をもって怠けずしっかり果たしていきたいな、と改めて思いました。

夜景はね、オートですよ(笑)
夜景モードでも撮ってみたけど、必要以上に明るくなりがちだったので。

何しろ取り説読む間もなく、ただ持っていっただけなので、
操作自体がわからなくて、アタフタしてました
わさび音 2009/09/20(Sun)21:34:28 コメントの編集
     
            
           
  
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